子どもの本箱のロゴ    〜神奈川県小田原市〜
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毎月、幼い子向け絵本、少し大きい子向け絵本、読み物を紹介しています。本選びのご参考にしていただければと思います。

今月のお勧め本

 

      
「あかちゃん」     
  ジョン・バーニンガム 作  谷川俊太郎 訳
  冨山房 定価880円
 “うちには あかちゃんが いるんだよ” という、ぼくの言葉で始まり、ぼくの目で見たあかちゃんの日常が書かれています。ごはんをめちゃくちゃにするとか、うばぐるまでさんぽにつれていくとか、おふろに入れるとか…。ぼくはあかちゃんがすきなときもあるけど、きらいなときもあります。でも、「いっしょにあそべるように、はやくおおきくならないかなあ。」ってぼくは思っているのです。
お兄ちゃんになって、ちょっととくいなぼくと、お母さんをひとりじめできなくなったぼくの、複雑な気持ちが、素直に語られて、ほのぼのと伝わってきます。それでも、あかちゃんの成長を楽しみにしているぼくなのです。
弟や、妹がいる幼い子どもにぴったりの一冊です。
バーニンガムのちいさいえほんシリーズの一冊です。



 

 

  「3人のちいさな人魚」
デニス・トレとアレイン・トレ えとぶん
麻生九美 やく
評論社 定価1,430円
 手に取るとまず、表紙の楽しい絵によって人魚が住む海の底へと誘われます。表紙を開くと、そこに描かれた海面に揺らぐ三つの尾びれの絵に、思わず、明るく陽気な人魚たちを想像してワクワクしてきます。
そして、”ふかいふかい海のそこに3人のちいさな人魚がすんでいました。なまえは、コーラ、フローラ、ベラ。”とお話が始まります。
人魚はすばらしい声の持ち主のはずですが、この3人の人魚たちのうたはあまりにひどく、カキやハマグリは大わらい。魚も逃げていってしまいます。そこで特別の練習を!と大きな声を出したところ、ちょうど真上を通りかかった船のお客さんたちが非常ベルが鳴り出したと思い込んで、皆救命ボートへ…。
空っぽになった船は岩にぶつかってしまいます。沈みかけた船の中に小さな女の子を見つけた人魚たちは、危ういところで女の子を救い出します。
そして、辿り着いた島で、女の子を元気づけようとがんばります。女の子に泳ぎを教えたり、イルカと一緒に遊んだりして楽しく過ごしますが、ある日、女の子はさみしくなって、家へ帰りたくなってしまいました…。
 表紙と辿り着いた島のページ以外は、ペパーミントグリーンと白に、青い線だけで、ユーモアたっぷりに明るく描かれています。小粋で優しい人魚たちと一緒にのびのび心を泳がせて、カラッと軽快、そして心温まる一冊です。



 

  「帰ってきたメアリー・ポピンズ」岩波少年文庫 
 P.L.トラヴァース 作 林 容吉訳
 岩波書店  定価924円
 つやつやした黒い髪、青いキラキラした目の木のオランダ人形のような見かけの女の人、メアリー・ポピンズが主人公です。以前紹介した「風にのってきたメアリー・ポピンズ」の続編です。
 前作でメアリー・ポピンズは、バンクスさん一家の子ども達、ジェイン、マイケル、双子のジョンとバーバラの子守として働いていましたが、風に乗って姿を消しました。そのメアリー・ポピンズがマイケルのあげたたこの糸につかまって戻ってきます。
語られる話は10話です。機嫌の悪かったジェインが、飾り皿に描かれた絵の世界に入ってしまう話、5人目の子ども、アナベルが生まれた時の話、星座の星々が繰り広げるショーを観に行く話、春を迎える作業をメアリー・ポピンズが手伝う話など、どれも不思議で楽しい内容です。
読んでいると、日々の暮らしの中にファンタジーの世界が隣合わせにあるような気がしてきます。
メアリー・ポピンズは、第一印象はとても厳しくて怖いのですが、お話を読んでいくうちに、人柄の魅力的なところ―不思議さと豊かさ、いざという時に絶対に助けてくれて頼りになり、また子ども達を信頼しているところが、心に印象深く残ります。

                     

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